Seminar

<4/2025>
Date
4月21日(月)14:00-
Speaker
松下 太樹(大阪大学基礎工学研究科 藤本・水島研究室)
Title
トポロジカル超伝導体における内因性応答現象

トポロジカル超伝導を実現する超伝導秩序変数には、いくつかの典型的な型が存在する。例えば、軌道角運動量が偏極したクーパー対を記述されるカイラル超伝導秩序は、時間反転対称性を破るトポロジカル超伝導を実現する。一方、カイラル成分を重ね合わせることで時間反転対称性を回復したヘリカル超伝導秩序は、時間反転対称性を保つトポロジカル超伝導を実現する。現時点では、物質におけるトポロジカル超伝導を解明しきれずにいるが、その理解を深めるためには、これらのクーパー対が引き起こす物理現象を明らかにすることが重要である。 本発表では、カイラル超伝導体とヘリカル超伝導体において、ボゴリューボフ準粒子が引き起こす輸送現象として、異常ホール効果とスピンネルンスト効果に着目し、それぞれの現象を概説する。特に、不純物に依存しない内因的なメカニズムに焦点を当て、最新の理論的成果に基づいてその発現条件や物理的意味について議論する。